「サルシカ薪集めイベント2012は豪雨からはじまった!」第174回サルシカ隊がいく

投稿日: 2012年11月27日(火)08:11

朝夕にストーブに火を入れはじめる頃になると、薪ストーブユーザーはソワソワとしはじめる。
温かいストーブのまえでのんびりと休日を過ごしたい・・・。
そう思いつつも、
「薪を集めたい!!」
「薪がほしい!! ほしいのだああああ!!」
と、野性的渇望にガオオオオオとなるのだ(笑)。

本年度(2012年)初の薪集めイベント。
隊長のワタクシも、そして参加したサルシカ薪ストーブ班のメンバーも今年初の薪集めであった。
それが、こんな大変なことになるとは・・・・。
いったい誰が想像したであろうか・・・(笑)。

そもそも今回の企画は、サルシカ秘密基地イベントにさかのぼる。
山遊びの達人ろぷろすさんが、友人である藤岡さん夫妻を連れてやってきたのである。

写真が夫の藤岡さん。
美里町内に家を建てることになって、その造成のために木を切っているのでもらってくれないか、と。

いやいや、そんなのこちらからお願いしたいぐらいで!
秘密基地建造プロジェクトが終わりましたらすぐさま行きますから!!
行くといったら行きますから!!

てな具合ですぐさま日にちが決定し、このサルシカのHPおよびFacebookで呼びかけると、さあ集まったよ、三重県のあちこちから、薪ドレイたちが!(笑)。

場所は美里町某所。
家を建てるために斜面の木をどどどどどーんと倒したのだという。
そして土砂崩れに備えて擁壁をつくるのだという。
なかなかの大工事なのだ。

で、その倒木がこちら。
たぶん30本以上の雑木がここに倒されているのであるが、重なっているためそんなに多く見えない。
このワタクシの見あまりがのちのちの地獄を招くのだ。

しかもこの日は朝から雨がしとしと降っていた。
待ち合わせ場所に上記のみんなが集まったときは、かなりの雨になっていた。
参加表明をしていた「まさやん隊員」が集合時間になっても現れない。
時間にはキビシイ人なので、ナニかあったのかと携帯を鳴らしてみる。

「あ、もしもし、まさやん、いまどこにおるの?」
「どこって・・・家やけど」
「え、きょう薪集めイベントやで」
「うん、でもこの雨やし中止やろ」
「いや、もうみんな集まってるで」
「うそぉ!」

まさやんは素っ頓狂な声をあげた。
そしてすぐさま来ることを約束して電話を切ったのであった。

てなわけで、ここで一番トップの写真に戻って人物紹介を。

一番左は、ワタクシ、サルシカ隊長である。
続いて左から2番目が、この地に家を建てる藤岡さん。
左から3番目は、サルシカ隊ナンバー239のヨッシーさん。
4番目は、サルシカ隊薪ストーブ班のすでに古参、はっせんさん。
5番目は、隊員ナンバー241のおくりん隊員。
そして右端が今回初参加の大田2さんである。
まさやんはまだいない(笑)。

雨の中、原木との戦いがはじまった。
5つのチェンソーがうなりをあげる。

ワレワレも何も雨の中で作業をしたくなかった。
しかし時間がないのだ。
この倒木は11月中に片付けねばならなかった。
まずはこの木の山を片付けないと、他の木をここに運びこむことができない。
倒木の山は全部で3つもあったのだ。
それをすべて片付けるのだ。
ひええええええ!

運び出しやすいように、とにかくあるものすべて玉切りしちゃおうということになった。
名付けて「玉切り作戦」(そのまま)である。
玉切りとは薪割をするまえの、原木を輪切り状態にしたことをいう。
おおよそ40センチにそろえてじゃんじゃん切っていく。
横たわっている木を切っていくだけだから楽ちんである。
ぎゅいんぎゅいん、ぎゅいんぎゅいん、えんえん作業が続く。

が、2時間もしないうちに、すべての軽トラの荷台は玉でいっぱいになった。
遅れてやってきたまさやんの軽トラも含めて6台の軽トラ満車。

家に置きに戻っていると、往復だけで時間を食ってしまうので、ひとまず玉切り作業を優先して続けることにした。

その間も雨は降り続く。
作業現場のすぐそばにあった農作業小屋の軒先がワレワレが唯一休める場所であった。
雨にずぶ濡れになり、木くずでどろどろになってここに座り込む。
が、それとて休んでいるわけでなく、チェンソーの燃料の補給、オイルの補給、そしてチェンの目立て(刃を研ぐこと)をする。
もう午前中からかなりの疲労であった。
そもそもワタクシは、先週も大雨の中で秘密基地づくりと格闘していたのだ。
神よ、なぜ雨ばかり降らすのだ。
そうワタクシが空に問うと、
まさやんが、「それは隊長が雨男やからと違うの」と、言ってはいけないことを言う。

まさか!!
海、山、川で遊ぶサルシカ隊の隊長が雨男なんて!!!
断じてあってはならぬことなのだ!!

お昼になって現場はこの状態。
玉切りした分、なんだか逆に量が増えているような気がする。
しかも切っていない木もまだまだ横たわっている。
切っても切っても終わらないのだ。

ワタクシは完全にあなどっていた。
みんなには午後3時、おやつの時間には終わりますよ、はははは、などと伝えてあった。
が、昼をこえてこの状態。

おくりんさんなどは「これ・・・今日中に終わるんかなあ」などと不吉なことを言い出す。

藤岡さんの奥さんに買ってきてもらったお弁当でランチ。
雨は一段と激しくなり、例の軒下で、降り込む雨に濡れながらごはんを頬張る。

なぜ雨の中、ワレワレはこんなことをしているのか。
ワレワレはおかしいに違いない。
きっとマゾだ。
薪ドレイだ、わはははははは。

笑うだけ笑うと沈黙が続く。
雨音だけが響く。
虚しい(笑)。

が、とりあえず今日中にこの目の前の山だけでも片付けるのだ。
気合を入れて午後の作業に入る。

午後からの雨はすさまじかった。
大雨警報が出ているところもあったようだ。
バチバチと雨に打たれつつ作業をつづける。
ワレワレ、薪ストーブ班はえんえん玉切りをし、藤岡さんはその玉を運ぶ。

午後3時。
ここまで原木をカットした。
が、まだ何本か残っている。
きょうこのまま切り続けても、玉を各自が家に運ぶのは到底無理である。
そこで、現場から一番近い場所にあるサルシカの秘密基地にいったん玉を運び、そこにプールすることに。

軽トラ3台ずつが秘密基地に薪を運び、残りの3人は玉切りを続ける。
最初の3台が戻ってきたら、切り手交代で、次の3台が薪を運ぶ。

結局、秘密基地には、軽トラで12台分の薪を運んだ。
この間、まさに土砂降り。
とてもカメラを撮っている状態ではなかった。
体力的にも精神的にも極限だった。

すべての原木を切り終え、わずかに残して軽トラ6台に積み終えた時には、もうこんな状況であった。
6時前。
真っ暗である。
しかも雨は降りしきっている。

最後はこの薪を自宅まで持ち帰るのだ。
しかしそこでもまた薪を下ろし、運ぶ作業が待っている。

「おつかれい!!!!!」

もはや最後の方は意識が遠のいていて、どうやってみんなと別れたのかあまり覚えていない。
家に戻り、雨の中薪を下ろした。
玄関でずぶ濡れの服や長靴を脱いで、そのまま熱い風呂に飛び込んだ。
30分熱い湯に使っても身体はなかなか温まらなかった。

風呂から出てメシを食って熱燗でさらに身体を温め・・・・
温まったかなあと思ったらもう夢の中だった(笑)。

翌朝、サルシカ秘密基地は薪の集積所と化していた(笑)。

きのうサルシカ秘密基地に運び込んだ薪・・・軽トラ12車。
各自が家に持ち帰った薪・・・軽トラ6車。
現場に残してきてあとで隊長のワタクシが持ち帰った薪・・・軽トラ1車。
計、軽トラ19車の薪集めであった。

過酷ではあったが、なんとも大漁の薪集めであったのだ。
2012年。
薪ストーブのシーズンはこうしてはじまった!